11月3日は、木更津市で開催された「木更津オーガニックシティ・フェスティバル2024」に出店していました。
話すと長くなりますが、このイベント、「グローカル・ハピネス」として開催していたころから数えて、今年でちょうど10回目の開催でした。実は豊増も、第1回目から出店しています。その当時はONE DROP FARMという会社はなかったので、前職である「耕す木更津農場」として出店したり、運営に関わったりしていました。
それが、2016年に木更津市が「オーガニックなまちづくり宣言」をして以来、木更津市としてもこのイベントに全面的に協力、むしろ市のイベントとして開催するようになって、今に至ります。
個人的にはこのような流れは非常に稀ではないかと思っていて、当初市民有志ではじめたイベントに少しずつ地元自治体が関わるようになって、しまいには市をあげてのイベントになっていく、、、この過程で当初大切にしていたコンセプトや運営上の工夫は損なわれるどころか、より広がりをもって、より多様性をもって、そして、より深みをもって充実していく、、、そんな10年間を目の当たりにしてきました。
これは、当初の「グローカル・ハピネス」の中心的な役割を担ってきた方々と、自治体の方々のよい相互信頼があって、お互いを尊重する気持ちがあって、そしてさらに、お互いに変な「依存」をうまない形があったからこそ、ではないか、と思っています。
このような行事の場合、よくあるのは、どこかのタイミングで当初の主催者とあとから協力することになった側でだんだん価値観の相違がうまれて、そのうち当初の主催者が関わりづらくなる、という展開だと思います。「生みの親」みたいな人がいて、苦労して育ててきたものの良いところだけを自治体が持っていく、みたいな感じ、ありますよね?イベントにしろ、事業にしろ、スケールしていく段階でどうしても生じてしまうことではないかと思いますし、それは必ずしも悪いことではなくて、当初の主催者が手放すことで思い切って規模を拡大することができたり、内容を充実させることができる、ということもあるんだと思います。
ですが、木更津市のこのイベントの場合、そうしたことはあまりなく(ひょっとしたら僕の知らないところで、そうした事案はひとつふたつあるのかもしれませんが)、関わる人も増やしながら、内容も充実していく、つまり広く、深くなりつつあるように思います。
例えば今回とても感心したのが、水上シャトルバスの運行。
会場である潮浜公園はとても気持ちの良いところなのですが、唯一の難点が周囲の駐車場が少ないこと。2万人前後がおとずれるイベント会場としては、この点が非常に課題でした。
それを解決するために、当日は市内各所のターミナルから無料シャトルバスを出し(こうしたことも自治体と連携するからできることですが)てきましたが、やはりそれも混雑と不便感は否めません。
そこで、今回はなんと、船で会場に向かう「水上シャトルバス」が運行されていました。シャトルバスといっても、実際に海苔漁師さんが使う船に乗せてもらって、海苔の養殖場を見学しながら、潮浜公園のすぐ近くの船着場に到着する、という企画。有料で要予約制なのですが、どうせなら海の上を楽しみながら会場に送ってしまえ!というなんとも木更津らしい発想。しかも、漁師さんに実際の海苔の養殖場を見せてもらったり、海苔漁のお話しなどをきいたら、会場で海苔を買いたくなりますよね!そうして、不便のなかから、関わる人がそれぞれハッピーになる工夫が生み出されるのも、オーガニックだなぁ、と思うわけです。これも多様な方々が関わることになったからこそ生まれた工夫。
市民有志ではできないこと、自治体ではできないこと、それぞれ補完しながら、だけど、当初のコンセプトは失われるどころか、より色濃くなって、来場者に心地よさ、楽しさ、美味しさを提供することができるようになる、そして何よりも、私たちのように出店する側もしっかりとやりがいの感じられる(=それなりの売上になる)、そんなイベントに成長してきたのかな、と。
まだまだ一部の方の多大な貢献と負担に依存しているところは否めない運営だとは思いますが、それでも、市役所の若いスタッフの方々も以前とは比べ物にならないくらいスピーディで配慮のあるものになっていて、遅かれ早かれ、こうしたイベントの運営も「人と地域が有機的につながりながら」進められていく、真にオーガニックな取り組みになるのではないかと思っています。
話が長くなりましたが、そんなわけで、ONE DROP FARMからはちばびおで作っている有機ミニトマトのパスタに平野養豚さんのベーコンたっぷりのせたのと、はちみつプリン、天然はちみつサイダー、無農薬ブルーベリーのフィナンシェなどを販売しました。もちろん、はちみつもたくさん購入いただきました。
来場いただいたみなさん、運営に関わられたみなさん、ありがとうございました!